心身のストレス低減のため、約40年前にジョン・カバットジン博士(マサチューセッツ大学医学大学院教授)により開発された実践的な瞑想法が、「マインドフルネス瞑想」です。
仏教のエッセンスからヒントを得てはいますが、信条に関係なく誰でも身に着けることのできる、セルフコントロールのスキルです。
有名企業だけでなく、プロスポーツ選手や医療現場など、取り入れるところが増えています。
マインドフルネスを継続することにより、主に下記のような効果が期待されます。
ストレスの低減
脳疲労の低減
集中力の向上
自己統制力
の向上
観察力の向上
アンガー
マネジメント
共感力の向上
レジリエンス
の向上
EQの向上
セルフコンパッションの向上
マインドフルネスのやり方は、自分自身あるいは身の回りの事象に意識を向け、集中して観察する、それだけです。
それだけ聞いてもピンときませんよね。 もう少し具体的に見てみましょう。
下記は、マインドフルネスの基本となる静座瞑想の一例です。
< 基本のマインドフルネス( 静座瞑想 )のやり方 > ※椅子に座っても、胡坐でもOKです。
1、 自分の呼吸に意識を向けます。
2、 そのうち、なにか考えや思いが浮かぶなど、気が逸れます。
3、 気が逸れたことに気づきます。
4、 意識が向いてしまった対象(考えや思いなど)を手放します。
5、 再度、呼吸へ意識を向けていきます。
1~5をひたすら繰り返します。 簡単そうですよね。 ぜひ毎日、実践してみてください。
ポイントは、観察した事象について価値判断を行わなず、ただありのまま認識するということです。
マインドフルネスを実践した後は、頭の中がすっきりして、気分がリセットされるという方が多いです。
マインドフルネスを続けた場合の、ビジネス面での主なメリットについては、上記にまとめました。
ここでは、もう少し丁寧にメリットを紹介 します。
・ 観察力の向上
観察力が高まると、不調に気づきやすくなります。 これまではつい見逃していた疲れや体調の変化に早目に気づくことで、体調管理がしやすくなってきます。
・ 気づきの力の向上
観察を続けると、色々なことに気づきやすくなります。 例えば、自分の気持ちに気づきやすくなると、アンガーマネジメントに役立てられます。
・ 共感力の向上
自分のことに気づきやすくなると、相手の状況を想像する力も育まれてゆきます。 共感力が高まれば、コミュニケーションが円滑になることも期待されます。
・ レジリエンスの向上
手放す力が高まると、勝手に始まってしまう思考のループから戻ってきやすくなります。 思考のループから戻りやすくなると、自分の機嫌をコントロールするのが得意になっていきます。
EQという言葉を聞いたことはありますか?
Emotional Intelligence Quotientの略語で、自分や他人の感情を理解し、自分の感情をコントロールしながら適切に自己表現する能力のことです。 「こころの知能指数」とも言われます。
EQが高い人は、対人関係が円滑で、コミュニケーション能力も高いと言われます。 昨今、リーダーシップには欠かせない能力として注目されています。
EQは、マインドフルネスの実践により、向上させることができます。
たとえば、観察力や共感力を高めることにより、自分や相手の感情を理解する力が育まれます。
また、自己統制力を高めることにより、より適切なコミュニケーションが可能になるでしょう。
マインドフルネスは、組織のリーダーとなる方にも、ぜひ実践してほしいスキルです。